「奥の菊道」俳句会

「奥の菊道」俳句会:入選句

令和6年4月30日締め切り分 応募句より      井芹眞一郎 選

 

一席 平安の世に満つ一ト間雛の家     千葉県 中宮 順子

(評)平安とは平安京に由来した言葉ですが、「穏やか」「安泰」に通じて子供

   に対する祈りを込めた雛飾りです。勿論人形の姿は平安貴族の姿をして   

   います。飾ることでその部屋中が平安時代に満ちているのです。

 

二席 ものの芽の一つひとつの物語   熊本市 石橋 みどり  

(評)庭にものの芽が顔を出してくる季節になりました。その芽の一つひとつ

   に思い出があるのです。頂いたもの、どこそこで買ったもの、山から

   扱いで来たもの等々大事に育てている様子が想像されます。

 

三席 春暁や嶺々一斉に立ち上がる   合志市 坂田 美代子

(評)春の明け方は気持の良いものです。いよいよ暖かくなるかと思えば

   景色にも勢いが感じられます。

 

入 選 

落花いま風の誘ひに迷ひなく     福岡県 鹿子生 憲二

新調の旅のお供の春日傘       熊本市 稲田 夏子

震災地復旧遅々と花の冷       熊本市 中野 しずこ

絡み合ひ空を遮る新樹かな      御船町 丹生 則子     

夕暮れてそこはかとなく丁子の春   熊本市 田中 悦子

湯に通すぜんまいの青鮮やかに    御船町 田中 眞知子

風を得て回り出したる風車      菊池市 宮本 敏子

山襞の緑濃淡不動岩         山鹿市 本田 孝子

残る花名残を惜しみつつ散りぬ    熊本市 南 幸子

雛流し願ひをそつと波に乗す     熊本市 松田 留以子

うぐひすの時にあらずと声ひそめ   熊本市 西本 丈正

春風や入部届けに描くホルン     熊本市 貴田 雄介

 

選者吟                  眞一郎

     葱坊主すこし疲れの見え初めし

     夏の蝶陰から陰へ過りけり

     数多咲き八方美人アマリリス

 

「奥の菊道」俳句会:作品募集

ダウンロード
「奥の菊道」俳句会:応募用紙/令和6年7月31日締め切り分
「奥の菊道」俳句会:応募用紙9.pdf
PDFファイル 190.9 KB

「奥の菊道」俳句コンテスト

 「奥の菊道」俳句コンテストは

これから少しずつ消えていってしまうかもしれない

美しい自然の風景や懐かしい生活が残る

熊本県内の故郷の情景を俳句に詠んでいただき

 

その俳句を広くご紹介していくことで

大切なことを見失ってしまった現代の日本社会への

故郷からの最後のメッセージを伝えていくことを

目的とした俳句コンテストです。

 

 熊本県内の故郷に吟行いただき、そこで詠まれた皆様の俳句を

「奥の菊道」俳句コンテストにご応募ください。

 

 このホームページの「心の旅」に掲載されている俳句は

 過去12回の「奥の菊道」俳句コンテストの入賞作品と

上記の「奥の菊道」俳句会の優秀作品です。

一句一句の俳句を読み進めていただければ、

素敵な心の旅のお時間になることでしょう。

 

「奥の菊道」俳句コンテスト:入賞者の皆様

弊社が企画・運営する「緑川行燈」企画では、これまでの多くの俳人たちに

詠まれてきた有名な俳句をご紹介しています。そちらも是非ご覧ください。

「緑川行燈」:midorikawaandon.com